意外に大人しいね
一途
「卒業おめでとう。プロヒーローとして活躍するのを期待してる。これからが本当の始まりだ、励めよ」
「「「はい!!!」」」
「とうとう卒業しちまったな…」
「爆豪!写真撮ろうぜー!」
「あぁ!?」
「爆豪ベストジーニストんとこだろ?俺関西だから会えねえなぁ」
「そういえば切島は関西だったな」
「俺の事務所ベストジーニストんとこと近いから爆豪んち遊びに行くな―!」
「来んなアホ面!」
「…そういえば爆豪、“あいつ”から聞いたが…」
「あ?ああ、マジだぞ」
「……なんか、凄いなお前ら」
「え?何々先生何の話してんの?」
「同棲程度驚くことじゃねえだろ」
「………………」
「………………」
「「「「「同棲!!!???」」」」」
「え!?爆豪カノジョいんの!?え!?」
「…本当に知らなかったんだなお前ら…」
「つか何で相澤先生は知ってるんすか!?え!?」
「緑谷知ってたか!?」
「かっちゃんのお母さんが「あの勝己がねぇ」って意味深な発言をしてたから限りなく低い可能性の一つとして考えてたけど本当だとは思わなくてというかかっちゃんと付き合うってその人凄いよねかっちゃんを受け入れられるだけの広い心を持ってるってことでしょかっちゃんをどう懐柔したのかすごく気になる」
「あんのクソババア!つかうるせーぞクソデク!」
「緑谷が緑谷してる…」
「ばくごーいつから付き合ってたの?写メないの?このクラスじゃないでしょどのクラス?」
「何で言わなきゃいけねえんだよ!」
「…イマジナリーカノジョとかじゃないよな」
「しょうゆ顔ぶっ殺す!1年の秋からだよ!誰が写メ見せっか!そもそもこの学年じゃねえよ!」
「同棲…ってことは年上?」
「爆豪、あいつに何かされたらいつでも相談乗るからな。嫌になったらすぐ言うんだぞ」
「誰が嫌になるかよ!!」
「え、相澤先生がそういうって、ヤバくないその先輩」
「ヤベぇけどヤバくねえよ!」
「どっちだよ」
「卒業当日まで言わんかったんすねーあいつ」
「自ら言うような奴じゃないが、特に隠してはいなかったな。聞かれたら答えただろうがそもそも聞く奴いないだろ」
「俺彼女いたんですー!とかあいつが言い出したら頭ぶっぱするな確かに」
「気が触れたと思うな」
「すんませーん生2つお願いしまーす」
「…お前酒強いな…それ何杯目だよ」
「先生はそんな飲まないんですね」
「お前の前でいつも通り飲むのが怖い」
「先生私を何だと思ってるんです?」
「腹黒悪魔」
「ひでぇ」
「同棲ってことは結婚も考えてるのか?」
「私は考えてますし向こうも考えてると思いますよー。流石にプロポーズまで意地悪くしたら可哀そうなんで待ちますけど。向こうも学生の私と違ってヒーローとして動くわけですしタイミングがあるっしょ」
「プロポーズ“まで”ってことは告白のときは意地悪したんだな…」
「可愛かった」
「さようでございますか」
「あーでもW結婚式とか面白そうじゃないすか?しかも教員とその教え子のって」
「あ?」
「プロポーズしたら勝己に言っといてくださいよ。したら勝己も私にプロポーズしてW結婚式も夢じゃないですし」
「ゴフッ、ゲホッ、ゲホッ!な、何言ってんだお前は!」
「看護師と恋に落ちるとかベタっすよね、ヒーローって職業だと」
「…まて、なんでしってるんだ、マイクすら知らないんだぞ」
「たーのしー!」
「こわいほんとこわいおまえなんなの」
「生2つ持ってきましたー」
「ありがとうございますー。ほら、落ち着いてこれでも飲んでくださいよ」
「……………このために2つ頼んだのか」
「まっさかーはっはー!」
「こわい」