意外に大人しいね
勉強
爆豪:勉強できるか
シン:できるよ。入試から今まで筆記1位
爆豪:自慢か
シン:ただの事実
爆豪:勉強教えろ
シン:構わないよ
シン:正直教えを乞うタイプに見えなかったから意外
爆豪:うるせー、その方が効率いいだけだ
爆豪:明日、放課後図書室
シン:あい
「飲み込みはええなおい」
「この程度聞いてすぐ分からねぇわけねえだろ」
「勉強を教えるほどでもない気しかしない。私いらんくね」
「…1位じゃねえんだよ。俺は1位になりてえんだよ」
「向上心の塊魂か、尊敬するわ」
「…………………」
(意外だ、照れてる…)
「けっしー勉強教えてよー。明日の小テスト自信ない!」
「いいよ。これ奢ってくれたのそれが目当てでしょ」
「バレてる…」
「そういえばけっしー、D組の増坂フッたんだって?」
「なになにー恋バナ!?まっざるー!って、けっしー顔ヤバい」
「うぜえ」
「なんでフッたの?イケメンだし優しいし頭…はそりゃけっしーの方がいいけど馬鹿じゃないじゃん?」
「自分より弱い男に興味はない、弱いとしても私が思わず“守りたい”と思えるような人じゃなきゃ興味ない」
「それ言ったらけっしー2年男子誰も興味ないんじゃ」
「去年の体育祭思い出すわー。B組の鷲頭に体育祭で“優勝したら付き合ってくれ”って告白されてたよね」
「あれね!選手宣誓のあれね!」
「決勝戦でけっしーが鷲頭ボコボコにしてたのは笑った」
「ああいう告白嫌い。そもそもそれ以前のアプローチがクソうざかった」
「付き合ってもないのにすっごい牽制してたよね」
「けっしーそういうの嫌いそうだもんね」
「付き合っても隠しそう」
「隠す。何かと茶化されんの嫌いだし、彼氏のことで誰かに相談しても惚気って言われて茶化されるし、相談相手の意見を聞きたいのに結局あなた次第じゃない?って相談乗るって自分が言ったくせに投げ出す回答されるし、彼女なのにってあーだこーだ価値観押し付けられるし」
「何そのリアリティある理由」
「今の絶対実体験でしょ…ってことはけっしー彼氏いたことあるんだね。ってこういうのも聞かれるの嫌?」
「聞く相手による。元カレと3人は面識ないし別に構わないよ」
「ってことは付き合ってたの中学校の時?」
「中2の冬から去年の3月まで、大体1年と数カ月くらい」
「元カレどういうタイプだったの?やっぱけっしーより強い?」
「いや?戦ったことないから分かんない。その時は強い弱いとか考えてなかったし。イケメンって程ではなかったよ。彼女がいることにアドバンテージ感じてるやつ」
「うわあ、それあれでしょ、「これ、俺の女」とかやるタイプ」
「そう!そうなんだよ!「俺の女」とか「俺の女に手ぇ出すんじゃねえ」とかって言ってる自分に酔うナルシスト!!」
「寧ろ何でそういうタイプと付き合ったん?」
「あー…人としてそいつ自身のことは嫌いじゃなかったし、恋愛感情はないって断ったんだけど、惚れさせて見せるからとか言われて、断る理由もなく」
「意外に流されやすいのね」
「いやいい経験にはなったよ、おかげさまで」
「何か闇深そう」
「………………」
「爆豪なんか静かだな?」
「俺はいつでも静かだろうが!」
「そういうとこだぞ爆豪」