No.9は夢か現実か

dc × hpmi in 仮想世界

世界にノイズが走る。
生きているのは誰。
死んでいるのは誰。
いや……そもそも……
本当に“存在”しているのは何なのか。

時系列

??年前
「エターナル計画」が開始する。
25年前
主人公誕生。違法な児童養護施設で過ごす。管理番号009と呼ばれていた。
10年前
主人公がXに引き取られNo.9と呼ばれる。「エターナル計画」に投入される。
7年前
萩原がXに拉致されエターナル計画に投入される。Xが用意した死体で隠蔽工作。
3年前
松田・諸伏がXに拉致されエターナル計画に投入される。Xが用意した死体で隠蔽工作するも、降谷たち公安は偽造されたものと気付く。
2年前
ノアズアークがエターナル計画に偶然通りかかる。主人公はここで初めて「存在する現実がコナンの世界である可能性」に気付く。
1年前
伊達が拉致未遂に合う。

原作開始

宮野明美がジンたちの元へ向かう途中拉致される。
ノアズアークがコナンに仮想現実を利用した研究施設があることを伝える。「あの人は人間なのか、僕と同じ人工知能なのか、分からなかったんだ」
Xが大規模な拉致作戦を開始。無作為に行ったことにより山田兄弟、碧棺、入間、毒島、飴村、夢野、有栖川、神宮司、伊弉冉、観音坂がエターナル計画に投入される。
各地で行方不明事件が発生。それに便乗するかのように、毛利蘭、鈴木園子、灰原哀がXに拉致られ行方不明になる。
施設を探していた安室、赤井、コナンが拉致される。

主人公

転生し生まれ落ちた世界が、ヒプマイが混ざるコナンの世界とは知らないまま過ごす。児童養護施設では管理番号009(ゼロゼロナイン)と呼ばれていた。前世で得た知識は一般的なものだったが、周りから見ると教えるより前から知っているその知識から才児とされ、ありとあらゆる知識を更に蓄えさせられた。
その情報を得た研究施設Xにより15歳で引き取られる。Xでの人体実験を“大成功”させてしまい、研究の礎となる。
18歳の時に同じく計画に投入された萩原と出会う。主人公は萩原を“前世の知識がプログラムに介入したことによる、架空の人物の具現化”と捉え観察していた。
21歳にて松田・諸伏が投入され、松田による「萩原が死体で見つかったが俺は信じていなかった」「事故でと処理されているが、事件を疑っているやつも多い」という発言から、3人が自身の妄想ではないのではないかと疑い始める。内部から外部へアプローチする方法を探し出す。
22歳、ノアズアークが偶然通りかかったのをキャッチに成功する。そこから「3人は実在する人物」「コナンの世界が存在する」可能性が高いことに気付く。しかし、彼らの世界と自身の世界が同じものなのか自信がなく、3人の内部データを探し出す。
24歳、宮野明美が投入された際に「エターナル計画」のデータの一部を見る事に成功する。6年前、萩原が投入されたのをきっかけにありとあらゆる“サンプル”が投入されていることを知る。
25歳、ヒプマイ勢と出会ったことにより焦りを感じ始める。先に来た4人は“本来死ぬはずだった”人間だが、彼らはきっと違う。ここで初めて、正しく、“彼らには帰る場所がある”と理解し彼らが帰れる方法を探す。
毛利蘭、鈴木園子、灰原哀、更にはコナン、安室、赤井の投入の際にエターナル計画へのハッキングに成功する。彼らのデータから、“彼らは存在する人間”であることを理解。自身のデータが一切見つからないことから、自身はいったい何者なのか分からなくなる。
ハッキング行為を繰り返し計画からの脱出方法、更にはこの電子世界を崩壊させる手段を見つける。
10年仮想世界で過ごしていく中で、自身が知らないはずの情報が勝手に脳内にあり“自分はもう人間ではないのではないか”と思うようになる。己の知識や常識が電子世界を構築するマザーコンピューターの役割をしていると推察。電子世界を崩壊させるには、自分自身が死ななければならないのではないかと葛藤するが、己を待つ存在などいないことを思い出し決断する。
彼らを帰す際、主人公自身はこの世界の住民と思いこませることで優しい彼らが思い残すことはないようにしようとした。しかし彼らが現実に変える直前、主人公の深層心理に触れてしまい主人公の思惑は外れてしまう。
「君たちの存在を、世界を、認めよう」
「そこに私の居場所はきっとない」
「だけど、もし、もしも、私を見つけたら」
「──私の存在を証明してくれないか」

研究施設X

「永劫の魂」を実現するために作られた施設。初めは肉体の維持や若返りを研究していたが、意識という魂そのものをデジタルの中に移すことにより、永遠を生きることが出来るのではないかと路線を移す。そこから生まれたのが「エターナル計画」。
人間の情報を分析し仮想世界での確立を目指したが悉く失敗。投入する人間を精査していくうちに主人公の噂を聞く。天涯孤独であり戸籍も無いことから探されることがない、死んでも支障がない、子どもながらに大人顔負けの知識を有していることから採用される。
主人公には「意識はあるのに身体が動かなくなる病気の人たちへ向けた実験」と偽り実験に投与する。
実験が大成功を収めると、サンプルを増やすために様々な人間を拉致する。
主人公により電子の世界は崩壊。サンプルの中で投与されたのが遅かった人から段々目を覚ましていき、安室達を筆頭に警察組織がなだれ込み施設は検挙される。

エターナル計画

「永劫の魂」を実現させるための計画。電子の中に世界を構築し、人間の意識をそこへ移して死を超えようというもの。肉体は完全管理されており怪我も病気もしない。
パソコンなどの機械で構築した世界に人間の意識だけを投与していたが、物理的な機械の劣化や処理速度が課題となり、人間の脳を基盤とし電子世界を構築する手段を思いつく。その為にはベースとなる人間の脳が優秀でなければならない。多くの条件に一致する人間を探すのに難航したが、全ての条件に当てはまったのが主人公だった。
電子世界に投与したサンプルたちが世界からの脱却の為に主人公を殺す可能性を考え、サンプルたちの意識が電子に行く過程で処理を挟み、サンプルたちはそもそも電子の世界にいるという自覚がないように施した。
研究者たちにとって主人公は計画以上の働きを見せた。本来主人公とサンプルのみで構築されるはずの世界だったが、主人公によりサンプル以外に電子上だけの存在が生まれた。サンプルを世界に構築する際、サンプルの年齢までの出来事をでっち上げあたかもその世界に元々いたかのようにする必要があると考えられていたが、主人公はこの電子の世界を“サンプルのいた世界とは別次元の世界”というパラレルワールドとし、電子上の存在を“現地民”、サンプルの存在を“異端民”と設定づけた。電子世界の法もこの設定を元に作られ、サンプルにいつの間にか違う世界にいたと錯覚させることに成功する。