Reincarnation:凡人に成り損ねた

虎視眈々と

5

 降谷の尾行バレバレについてはメールで注意しておいた。「あの子を気にかけるのは分かるけど、それがあの子を危険にし得るってことを努々忘れないように」と。
 さて、かつてトロピカルランドで黒の組織と取引していたMMとの決着をつけることになった。警察庁の刑事局が動き、我々公調は補佐に回る。残っている拠点は残り4カ所、一度に叩くことになった。デスクのカレンダーを睨む。作戦決行日前日は東堂としての仕事が3件、決行日2日間はフルで公調、次の日には船上でハロウィンイベントが行われるらしいのだが、それに組織が絡んでるらしく高桐さんが情報収集に行くのでサポートしなければならない。ハロウィンにしては季節がずれている気がするが…人が死ぬようなことがなければ一番良い。そしてその日の深夜には組織に潜入しているBNDの捜査官と密会する予定。そして次の日の午前中に名古屋、午後に京都の公調の支部へ出向。夜に東都へ戻ってきて…ああ…。
「過密スケジュールだ……」
「休めるときに休んどけよ」
「…3人分働いてる後輩には頭上がらないな…」
「降谷だっけ、トリプルフェイスなんてすげえよな」
 今度降谷には何か奢ろう。当分互いに忙しいから、次会えるのは一体いつになるのやら。
「作戦の最終確認が明日警察庁で行われる。洞沢と黒崎、名田以外は8時までに来るように。10時開始だから、3人はそれに間に合うようにな。何かあったら俺に連絡くれ」
 朝は赤井さんとSISと久々に状況報告会がある。ギリギリ間に合うか。流石にアラレナートの話は公調にしていないから、東堂の仕事でと伝えてある。
「警察庁かー。俺何だかんだ入ったことないんだよな」
「あれ名田さん、3年前の宗教団体の時行ってませんでしたっけ?」
「あの時は高桐さんが行ったんだよ。団体にいた人間の情報一番持ってたからな」
「そんなことあったな。俺が察庁行って、名田は洞沢のサポートしてたな」
 あれがもう3年前の出来事になるのか。月日が経つのは早い。
「あの時は病院で爆発物見つかったんだったな」
「紀里谷さんトイレ事件」
「洞沢、ここにまとめ終っていない資料があってだな」
「すみませんでした」
「何でこのチームってこう、緊張感無いのか…」
 高桐さんがはぁとため息を吐く。確かにこのチーム、大事な作戦や会議の前ほど何故か緊張感がない。オンオフはしっかりできるから実行中はピリッとしてる。
「チームにはいないとはいえ課内に新人も入って来たのに、上がこうなんじゃ参考にならんだろ」
「ああ、だから高桐さんよく教育係してるんですね」
「お前らにも来てるんだがな…潜入中のやつを回して、新人が口滑らしたら不味いだろ?だから俺と紀里谷さんでな。…組織捕まえたらお前も教育係回れよ?」
「そりゃ勿論やりますけど、まだ立場的には教育係回る方じゃないですよね」
「そういえば、MM捕まえ終わったら、紀里谷さん昇進でチームから外れるって話本当ですか?」
 名田さんの言葉に思わずはぁ!?と紀里谷さんの方を見る。洞沢さんも知らなかったらしくバッと視線を投げた。
「このチーム自体、MMの為に組んだもんだからな。チームから外れるんじゃなくて、チーム自体解散になるだろう」
 勿論東堂として動いている時も、MMの諜報活動はしていた。組織に頭が行き過ぎておまけ扱いしてしまってたけど、そういえばそうだ、東堂はMMの為に作られたものだ。
(これじゃもうポアロに行きづらくなるぞ…東堂はMMが壊滅したら不要な人物だ。それなのに東堂がそのままいたら流石に上から怒られるか)
「チームが解散したらあの少年の元に行く口実がなくなる」
 キィッと椅子の背もたれに体重をかけた紀里谷さんがニタリと私を見て笑った。
「とか、考えてそうだな、黒崎」
「…顔に出てました?」
「流石に10年見てたら何となく考えも読めるさ」
「フロア一緒とは言えチームが解散したら連絡を取り合うのがちょっと大変になるな。互いのスケジュールとか掴めなくなるし」
 そもそも組織の情報収集や公安への提供はMMのついでだった。ここでチームを解散すると、いよいよ公調として組織に関わる口実がなくなる。新一を見守るのがかなり厳しくなる。
「ま、対MMのチームは解散するが、同じメンツで別のチームが発足するから離れることはない」
「あ、そうなんですか」
「詳しくは俺もまだ聞いていないんだけどな。長官直々に何かあるらしい。俺たち5人に対してな」
「随分小規模ですね」
「ああ、まあ先の話は今は良い。まずはMMだ」
 この5人で次もチームが組めるなら最高だ。そんな少人数に、しかも長官自ら仕事を渡すって一体どんな内容なんだ。
 紀里谷さんの言う通り考えと一度やめ、目先のことに集中することにした。


 朝7時、赤井さんとSISと状況報告会だ。組織潜入中のウィリアムも混ざるなんて本当に久しぶり過ぎる。
『クレールが日本へ行くらしい。それに先駆け、ある男を先に日本へ送ったようだ』
 赤井さんの一言で報告会の内容がヘビーになることが決まった。何の目的で日本に…。
『椎名、アンディ・ターナーという名前に聞き覚えはあるか?』
「アンディ・ターナー?…ピンと来ないな…」
『俺と椎名が初めて会った時、椎名を攫おうとした誘拐犯だよ』
 アメリカの空港で知らないアメリカ人に突然声を掛けられ攫われそうになったところを赤井さんに助けられた。そうか、その時攫おうとした男の名前か。確かに赤井さんはあの時「アンディ・ターナーだな?」と言っていたかもしれない。
『シーナを攫おうとするなんて凄い男だね』
『あの時の椎名は可愛かったな、20年以上前だったか?』
『なんだ、ツトムとシーナが会ったころって俺たちが会ったころと一緒なのか』
「あの時の誘拐犯、アンディは逮捕されたんじゃなかったの?」
『10年ほど前に釈放されていた。懲役はもっとあったんだがな、恐らく…』
「タランチュアの手引き、か」
 まさか私を攫おうとした人間がタランチュアと繋がってたとは。あの時はまだ私もタランチュアの存在すら知らなかった。
『クレールが日本に行くのはすぐのことじゃない。…これは勘だが、クレールはもう俺と会わないだろう』
『日本に行くだのアンディを送っただの、それはクレール本人が言ったのか?』
『そうだ。この前椎名とも話したが、あまりにも情報を俺に与えすぎている』
 こちらがどう動くか様子を見ているようだ。クレールは赤井さんに探られていると分かっている。アンディと接触するのは危険か。20年以上前だから私を覚えているか分からないが、とにかく私は不用意に近づいてはまずい。
『日本にいるアンディを探るのは流石に無理だな…かといってシーナが探るのも危険だ』
「……伝えておかないとか…。ごめん、みんなに言ってなかったんだけど、タランチュアについて協力者が2人いるんだ」
『いつの間に。どうして言わなかったんだ?』
「それはウィリアムが潜入している組織に関わることなんだ」
『まさか組織の人間に協力者がいるとでもいうのか?』
「そうとも言えるしそうでないとも言える」
 机の上をコンコンと叩いた。同じ立場のウィリアムなら意味が分かるはずだ。
『なるほど、そういうことか。で?誰なんだ?』
「ウィリアムのことを信用していないわけじゃないんだ。ただNOC同士が分かるのはあまり得策とは言えないと思う」
『…なるほど、シーナの近い人間なのか。すまない、もう聞かないよ』
 私と近しい人間だとバレたがこの際そこはいい。バーボンにはNOC情報は与えているが、そのNOCにアラレナートに人間がいるとは言っていないし、まさか潜入しているNOCのうち1人を除いて全員と繋がってるとは夢にも思わないだろう。その1人はどうしてもタイミングも接点もなく繋がるのはかなり難しい。
『つまりその2人に探らせるってこと?それだとクレールにその2人の情報行くんじゃないか?』
「あいつらなら、きっとうまくやるさ」
 降谷はウィリアム曰く胡散臭さがあるみたいだけど、あの2人なら大丈夫だ。
『随分信用しているみたいだな』
「まあね。私も勿論全力でサポートする」
『それにしても何で日本なんだろうね。当時タランチュアは日本に拠点置いていないって記録にあるよ』
 時折何かを食べる音がする。セオドールは何か食べなら通話しているようだ。遅い夕飯か?…いや、この軽い音はお菓子だな。
『それを狙って、とか』
『動くにはもってこいってことか?壊滅して23年、警戒心も緩んでいる上に、タランチュアという組織の情報がほとんどないであろう国』
『酒の組織が日本で活発しているからそれに乗じてという可能性もあるな』
 コナンが新一に戻るのは高校生の間の筈。とすると1年以内には壊滅するはず。組織が日本で活発なのは物語の都合上というのは分かるけど、タランチュアがそれを知っているわけがない。
(…………まさか……)
『20年以上ほとんど動きの無かったやつらが、いよいよ動き出すのかもな』
「…あー、くそ、冷静になれ自分。…事実上壊滅した組織に盲目的になって危険なのは私じゃない、みんなの方だ。特にウィリアム、そして赤井さん」
『勿論分かっている。シーナや日本には悪いが、酒の組織が日本で活発ならこちらからすれば好機だ』
 日本で活発なら各国の拠点に目が向いていな可能性もある。なら情報を得るなら今がチャンス。構成員を捕まえてタランチュアの情報を手に入れると言う意味ならやることは一緒だ。
「こんだけ時間かけてんだ、今更待つことは苦じゃない。焦らずいこう」
 シンドラーのロディスから得た情報からするに、クレールはタランチュアの中でも幹部の位置。黒の組織で言うところのRUMやベルモット、ジンあたりの立場になるだろう。そしてそのクレールにパシられるアンディはどのくらい情報を持っているのか。頼むからいいもんもっててくれよ。


 過密スケジュールが終わり、書類整備もそろそろ片がつく頃に公安調査庁の唐沢長官に呼び出された。名田さんと洞沢さんは潜入先の職場を正式に辞めている。東堂も「仕事で海外に行く」準備をしている。
「件の組織、ご苦労だったな」
「いえ。警察庁の協力のおかげです」
 室内には私たちのチーム、公調の長官、そして。
(警察庁の小野田官房長官…それと、北澤が何故ここに…)
「情報のほとんどは君たちからもらったと聞いてるよ。…それと、ずいぶんうちのエースの手伝いをしてくれてみるみたいで」
 読めない表情で小野田官房長は終始微笑んでいる。今まで感じたことのない異様な空気。
「警察庁の官房長が態々こちらにいらっしゃるということは、我々に課せられる任務も相当な内容なのでしょうね」
 紀里谷さんの言葉に長官は静かに笑った。
「ああ、紀里谷君たちのチームの手腕を見込んでだ。君たちに下す命令はここにいる人間のみが知っている。決して誰にも知られてはいけない」
 にっこり、と唐沢長官は笑う。
「公安調査庁の長官である私と、警察庁の小野田官房長からの直々の極秘任務だ」
 庁トップからの命令。こんな重っ苦しい任務は今まで一度もなかった。黒の組織についてであれば降谷も交わるはず。
 小野田官房長は天気の話をするかのように軽く任務内容を話した。
「どうもね、警察組織によくない者が混ざっているみたいなんだ。君たちにはそれをあぶり出してもらおうかと」
「よくない者…それは、どういう類のものですか」
 受け答えは基本チームリーダーの紀里谷さん。私たちは黙ってやり取りを聞く。よくない者ってのは、ネズミのことか?
「それがさっぱり。公安が追ってる組織なのか、他国の諜報員なのか、全く別の組織か。でもね、ちょっと心当たりあるんだよね」
「官房長、同じ警察組織の私は兎も角、何故公調と手を組んだのですか?いや、誰がネズミなのか分からないのであれば私も疑うべきでは?」
 北澤はここにきて初めて任務内容を知ったのか。小野田官房長は「君は真面目だね」と答えた。
「僕たちは君たちを白だと判断した、だからお願いしているんだよ」
 同じ庁内の人間にすら頼めない、それほどネズミの存在が不明なのか。いるということが分かる、それは一体何がきっかけで、どうしてそう考えたのか。そこが分かればネズミが何者か目星がつけられそうなものだけど。
「それで、小野田官房長の心当たりというのは?」
「そうね、随分前、もう20年以上前に壊滅した組織の残党が紛れ込んでるんじゃないかと思ってね」
「捕まった同士の解放を目的に、ですか?」
「ううん。それはないよ。だって、その組織は日本に拠点置いてなかったからね」
 20年以上前に壊滅、日本に拠点を置いていなかった。ちょっと待て、それはもしかして…。
「…タランチュア、ですか」
 小野田官房長の表情から笑みが消える。長官は目を細めた。
「黒崎君、君は、何か知っているね?」
「その前に1つお聞かせください。日本に拠点を置いておらず、日本警察はあの組織の壊滅に関わっていません。何故、ネズミがタランチュアの残党だとお考えになられたのですか」
「知っているどころか、随分詳しいようだな」
 ピリッと空気に緊張感が走る。彼らがどこでタランチュアを知ったのか。ネズミの心当たりがどうしてタランチュアだと判断したのか。ここで情報を得られるとは思っていなかった。
「知らない人たちもいるから、まずはタランチュアについて話そうか」
 長官によるタランチュアの説明は、23年前に私がSISから聞いた内容と相違なかった。人身売買、麻薬取引、臓器売買、エトセトラ。規模の大きさは当時の犯罪組織の中ではトップレベルだった。それが壊滅し、ボスは死亡。ほとんどの構成員は逮捕されたか死んだか。
「確かに君の言う通り、日本は一切かかわっていない。僕の知り合いがインターポールの人間でね、その組織に潜入捜査していたんだよ。元々連絡取れない人だったんだけど、消息不明のまま死亡と判断されたんだ。その知り合いがね、タランチュア壊滅後に一度だけメールしてきたんだよ」
 聞き覚えがありすぎる内容。消息不明、死亡判断。小野田官房長は、あの人と知り合い、だったのか。
「『もしネズミがいると思ったら、それはネズミじゃなくて蜘蛛かもしれない』ってね」
 あの人は小野田官房長にもヒントを遺していたんだ。どこまでも先を考えていたんだ。…それを私は気づけなかったわけだけど…。
「だから僕はタランチュアの残党なのかなって、死んでしまった知り合いの言葉を信じてみようかと思ったの。それで、君はタランチュアの情報をどこで?」
「…工藤寛司、と言えば答えになるでしょうか」
 北澤以外の全員が名前に反応した。長官は少し目を見開き、小野田官房長は面白そうに笑った。
「ふーん…そう、なるほど」
「黒崎君は工藤寛司がインターポールの人間だと知っていたのか」
「はい。…タランチュアが壊滅していないことにいち早く気付き、私に託して逝きました」
 子どもの君に託す私を赦してほしい
 もう私は子供じゃない。あの頃とは違う。物理で勝てなくても情報という武器がある。
 静観していた紀里谷さんがつまり、と話をまとめた。
「かつて壊滅した組織タランチュアが警察内部に潜り込み何かを企んでいる。潜り込んだ残党と、その目的を探ること。これが任務内容ですね」
「紀里谷君って言ったっけ。話には聞いていたけど、君本当に優秀だね」
「小野田、やらないぞ」
 小野田官房長と長官は何か親しい間柄のようだ。だから手を組む発想が生まれたのかもしれない。
「洞沢は一度事件に巻き込まれ聴取を受けています。それと、警視庁捜査一課と親しい人間が名田と顔を合わせています。私と高桐は警察庁の降谷捜査官と警視庁の諸伏刑事、風見刑事と面識があります。そして黒崎は言わずもがな、警察庁にも警視庁にも顔見知りがいるこの状況でどのように探れと」
「高桐君と名田君は警察庁に、紀里谷君と洞沢君には警視庁に潜ってもらおう。そして黒崎君、君には情報の橋渡し役として私と小野田官房長の秘書になってくれ。勿論、影のね」
長官秘書。とんでもない役職についてしまったもんだ。しかも警察庁と公安調査庁両方の。
(まさか堂々と調べられる日が来るとは…ほんと、まさか、こうなるとはね)
 機密情報を扱う2つの庁のトップが内密に手を組む。こんなことが果たしてあり得るのか。目前にしても実感がわかない。


「まさか警察に潜入する日が来るなんてな」
「まさか自分の管轄に潜入される日が来るなんてですよ」
 紀里谷さんの言葉に北澤が返す。公調内の会議室に私たちは場所を移した。ここに長官はいない。時刻は日付を超えてこの階に他に人がいないのは確認済みだ。
「潜入先はどこになるんだ?」
「紀里谷さんは捜査一課に、洞沢さんは公安部、高桐さんと名田さんは俺と一緒にゼロに。俺が引っこ抜いたと言えば怪しまれることは無いと思います。高桐さんは降谷と接触しないよう俺の部下として動いていただきます。名田さんは降谷の部下で」
「俺は降谷と面識あるからな。もし会っても上手くやっとくわ」
 高桐さんと降谷が会ったら…二人とも舌戦は強い。正直どんなんか見てみたい気もする。会わないことが一番だけど。
「捜査一課、か…かの有名な探偵と会う機会が増えそうだな」
「毛利小五郎については放置していただいて構いません。それと、恐らく江戸川コナンという少年が事件の時うろつくかと思いますが、下手に目を付けられるのも面倒です。その子についても放っておいた方が得策かと」
「北澤はあの少年を知ってるのか?」
 そうだ、眠りの小五郎の正体を北澤は知っているんだった。
「まあ。調べましたよ、色々と、ね」
 ちらっと私に視線を投げた。これは本当に調べつくしたな。
「あの子の行動があまりにも目に余るものだったら、私に言ってくれればあの子の父親に伝えておくよ」
「どこからが目に余るか難しいけどな。どこの誰だか知らないけど、俺が調べた時と最近確認した時とである青年の指紋が変わっていたが、目を瞑っておこう」
 眠りの小五郎の正体を知ってから直ぐに調べたのか。あの時はまだ紀里谷さん達もコナン=新一とは気付いていないはずだ。
「ほんと、こええやつ」
「黒崎にだけは言われたくない」
 コナン=新一が、本人の与り知らぬところで随分知られてしまっている。だがこれが彼の物語に大きく影響するとは思っていない。
 タランチュアの探りができる上に新一を継続で見守ることができる。一石二鳥、しかし慢心してはいけない。とうとう日本警察内部にも、やつらの手が伸びてしまったのだから。

黒崎椎名(偽名:東堂馨)
 この度、公安調査庁長官と警察庁官房長官の裏の秘書に任命。実際はただの報告係と、他のメンバーへの情報の伝達役。
紀里谷雄太(偽名:立川一馬)
 警視庁捜査一課に潜入。目暮警部と千葉警部を見て「ああいう体格の人もありなんだな…警察官…」と正直ちょっと驚いた。チームを率いていた時は、みなの優秀さを勿論認めて凄いと思っていたが捜査一課に来てからはどちらがおかしいのか分からなくなった。「…なんでこの証拠に気付かないんだ…?」
洞沢(偽名:茅野浩介)
 警視庁公安部に潜入。直属の上司である諸伏に「同年齢…だよな?」と恐る恐る聞かれ自分は30前後に見えるのか、と紀里谷さんの化粧品ブームのときに乗っかって正解だったかもしれないと過去の自分にGJ。風見をさんづけした方がいいのか分からない。階級は一緒だし、いい、のか?とりあえずさん付けしておこう。
高桐(偽名:辻本圭太)
 警察庁警備局警備企画課…名前なげえ、と思っている。そんな場所へ潜入。上司である北澤の上手いスケジュールのおかげで降谷とも風見ともエンカウントしていない。ところで北澤、お前実はめっちゃ怖いんだな。徹底的に自分を部下として扱う北澤に株上昇。
名田(偽名:手塚邦洋)
 警察庁警備局警備企画課…書くのめんど、と思っている。そんな場所へ潜入。上司降谷がお外で頑張ってるから俺は中で頑張るかな、と降谷の事務作業の補佐が主な仕事。「黒崎は態と隙を作って相手を自分の思うままにするタイプなら、降谷は隙を作らず相手の好きなようにさせないタイプだな」と降谷へは慎重な態度で接している。
唐沢長官
 一目置いていた紀里谷のチームを蜘蛛退治に起用。警察庁長官の小野田とは何やら親しい間柄の様。
小野田官房長官
 黒崎が何故公安調査庁にいるのかを察した人。亡き知り合いが遺したタランチュアへ繋がる最大の証拠、黒崎が手元にいることに笑みが浮かびっぱなし。
赤井務武
 クレールがもう自分と会わない事、そして奴らが自分のバックにいる人物を探っていることに気付く。この後CIAのイーサンと情報共有をする。
SIS
 黒の組織が日本で活発な今、国内の拠点を叩けるチャンスと捉えている。ところでセオドール、大事な通話中くらい食べるのを止めないか!