Reincarnation:凡人に成り損ねた

虎視眈々と

時計じかけの摩天楼

「馨さん、今はどんな記事を書いているの?」
 昼食も兼ねてポアロに行くと、珍しく毛利さんと蘭ちゃん、コナン君もいた。誘われて相席をする。私がコナンを情報源と思っているように、コナンもフリーライターとして各地へ赴く私を情報源の1つとしてとらえているようだった。
「んーあんまりそういう話はしちゃいけないんだけど、今書いている記事はもう告知済みみたいだからいいかな。有名な建築家の記事を書いているんだ」
「東堂ちゃん、随分幅広いジャンルで書いているんだな」
 毛利さんが私をかなり年下に見ているのはここ最近接して漸く理解した。何とも複雑である。
「知見を広めるのは楽しいですよ。相手に失礼の無いよう、事前学習もしなければいけませんから」
「ねえねえ、もしかしてその建築家って森谷帝二って人?」
 コナンから出てきた名前に驚く。あれ、何で知ってるんだろう。
「そうそう!よく分かったね」
「実は私たち、今度森谷さん主催のパーティに参加するんです」
「そういえばこの前取材に行った時、パーティ開くって聞いたなぁ」
 取材で森谷邸へ向かった時を思い浮かべる。建築家にしては妙なものもいくつかあった。まるで爆弾でも作るかのようなものに、目を光らせていたのだ。コナン達が行くのであれば、事件でも起きるか。
「本当は新一が招待状貰ったんですけど、行けないってことでお父さんが代理出席することになって」
「けっ、この俺を代理に使うたぁあの探偵坊主は」
 悪態をつきながら毛利さんはコーヒーを啜った。
 森谷、パーティ、新一宛ての招待状、爆弾、……あ。もしやこれ映画?
(あー、あれか、時計仕掛けの摩天楼)
 これは、私は関与しない方がいいな。パーティで上手く侵入して目的を探ろうと考えてたけど、何が起こるか分かるなら行く必要はない。
「馨さんもパーティ行くの?」
「私は行かないよ。流石にパーティに呼ばれるほどのことはしていないからね。そもそもフリーの私の取材に答えて頂けただけでも凄いんだから」
 どこに爆弾が仕掛けられるかは流石に覚えていないが、森谷が関与した建物の可能性が高い。…そういえば線路にも仕掛けていたな。東京に戻っている父さんがその日仕事じゃないことを祈るばかりだ。


 あれだけバンバン爆発させていたら組織の人間じゃないだろうって思うだろうけど、水族館にオスプレイみたいなので銃弾プレゼントしてたことを思い浮かべると、公安には手を打っていたほうがいいな。無駄な警戒はいらないよという私なりの気遣いだ。諸伏と、私と同い年で随分上の立場になった北澤と密会する。
「爆破事件を企てている可能性か…でもその情報は不確定なんだよな?」
 私の中では確定なのだが、情報も証拠も足りなすぎる。私の話を鵜呑みしないその判断は流石だ。
「事前に防ぐのは正直難しいな」
「もし爆破事件が起きても組織の警戒はしなくていい、ってことだけ伝えておく。いつやるのか分からないから、分かり次第伝えるようにするよ」
 メディアによく出ているその界隈では有名な人なので資料は沢山ある。諸伏は私の取材資料を見ながら呟いた。
「この人、シンメトリーへの拘り凄いですね。その割にこれまでの建築物が全てシンメトリーというわけではないんですね」
「…西多摩市の都市開発にも携わっていたか。あれは今見直しになっていたな」
 取材時の森谷の様子と二人の発言から犯行動機を導き出す。うん、私には理解できないが…建築家は芸術家に近いものを感じる。芸術家の考えは分からん。映画で覚えている記憶はコナンが頑張るところだけだ。あと蘭ちゃんが爆弾解除するシーン。
「市長が捕まって頓挫しているんでしたっけ」
「…その事件を解決した高校生、森谷主宰のパーティに招待されてたみたい。毛利探偵が代理出席したけど」
 毛利探偵の言葉に北澤が顔を歪める。
「あのエセ探偵か」
「「エセ探偵?」」
 北澤の言葉に私と諸伏は首をかしげる。最近メディアで見かけ始めたが、どこかで会っていたのか?
「この前ちょっと潜入先で殺人事件があってさ。眠りの小五郎だなんて呼ばれて、どんな推理してるんだと思ったら、毛利小五郎じゃなくて一緒にいた小さな子供が解決してたのさ」
 あ、それコナンじゃん。
「小さな子供?」
「どうやってエセ探偵を眠らせたかは分からんが、声変えて解決していたぞ」
 一課をバカにしているわけではないが、あの警察や一般人の目を誤魔化せても流石に公安の眼は誤魔化せない。コナンも穴だらけだな…。
「その子供凄いですね」
「まあ子供の声って大人はちゃんと聞いてくれないってことあるからな。きっとその子も、そうするのがベストだと思ったんだろう。褒めるべきことではないがな」
 意外に理解の深い北澤に驚く。経験談か?私を見て北澤は呆れたように、お前が言ったんだよと言った。
「経験の浅い子供をどうしたって大人は甘く見る。そんな大人に真実を伝えるには相応の手段が必要だって」
「……あっ、あの時か」
 本堂を助けるときの話。北澤がストーカーに悩まされていたんだっけ。北澤も中々イケメンだったから、自意識過剰だのなんだので信じてもらえてなかったんだよな。
「懐かしいねー。北澤のすt」
「俺の話はよくて!その森谷について何か詳細分かったら連絡してくれ。被害を抑えるくらいはできるはずだ」
 ストーカー事件は北澤にとって消し去りたい過去のようだ。まあ、あれは恥ずかしいよな。
 あれだけ大きな爆発が続くんだ。事件が解決することは分かっていても、被害者はそれなりに出ている筈。死者だけは出さないようにしないと。


 休日のポアロは繁盛する。GWに入る前に一度行ってしっかり堪能しようとポアロに行った。道中で蘭ちゃんと園子ちゃんに出会い、そのまま3人で女子会を開いた。コナンや新一の情報は蘭ちゃんからも引き出せるので、丁度いい。
「もうすぐ新一君の誕生日で、蘭はデートに行くのよね」
 ニヤニヤと園子ちゃんが蘭ちゃんを肘でつつく。そういうのじゃないって!と顔を赤らめる蘭ちゃんの可愛いこと可愛いこと。
「誕生日にデートなんて素敵だね。どんなプラン?」
「映画を見に行くんです。3日の夜に米花シティビルにあるシネマワンで」
「ほほーん、そのまま日付が変わったらプレゼントあげるのね~」
 園子ちゃん同様、私もニヤニヤしながら蘭ちゃんを見る。コナンとなってる新一はその日訪れない。が、そうか。米花シティビルね…。爆破事件は一日で起きていた。ということは3日に起きる。
「プレゼントはあ・た・し」
「園子!」
 あー女子高生いいなぁ。私のときこんな感じだったっけ…。そもそも特定の友人を作らなかったからなかったわ。友人と呼べる間柄で付き合い長いのは北澤だけか…。優作は親友だから別として。
「プレゼントは何を渡すの?」
「赤いポロシャツにしようかなぁって。私も新一も赤色好きだし、5月のラッキーカラーが二人とも赤なんですよ!」
「赤か~。きっと二人の小指にも、同じ色の糸が繋がってるかもね」
 コーヒーを飲みながらにこっと笑う。蘭ちゃんは連呼している色に顔を染め、園子ちゃんはニヤニヤしている。
 さて、有益な情報をゲットできた。早速伝えるかな。


 女子会の後家に帰り電話をする。なんともタイムリーか、ある火薬庫からプラスチック爆弾用の爆薬が盗まれたと言う。もうこれは黒だろ。
「接点のない工藤新一をパーティに招いたこと、そしてその工藤新一は3日の夜に米花シティビルに行く可能性があります。森谷がデザインした、ね」
『その情報を森谷が入手している可能性があるわけだな。パーティには幼馴染という女性が参加していたんだろ?』
「工藤新一が事件を解決しなければ計画は頓挫しなかった、というのが犯行動機にはなりそうですよね」
『後は諸伏が言っていたが、森谷のこれまでデザインした中でシンメトリーじゃない建物が爆破対象になりえるか。芸術家の思考は分からん。……ふっ、俺たち警備局企画課をバカにするなよ?』
 死者0だ。断言する北澤は何とも頼もしかった。
 例え森谷にその気がなくとも、爆弾を人の多いところに設置するだけで大量虐殺の疑いが出てくる。公調として当然それは見過ごせない。当然公調にもその話はした。公安も動くことから、爆発物が設置されるであろう場所の確認だ。といっても流石森谷か、自分が設計した建物だ、私たちよりも詳しい。そう簡単には見つけられなかった。
 3日の夕方。最初の爆発が起きてから大分経つ。ハッキングした情報から父が今日運転しないと知り、正直ホッとした。助かるとは分かってるが父さんのことだからテンパって失敗しそうな気がしたのだ。流石に大丈夫か…。ニュースでは怪我人が数名と報道されている。その中にはコナンもいるのだろう。北澤からの情報だと死者は今のところいないそうだ。公安による、それとない一般市民の誘導が功を成した。
「あとはここだけか…」
 紀里谷さんと二人、目前のビルを見上げる。万が一に備え爆弾の解体ができる私と紀里谷さんがここに来た。
「知り合いがいるんだったな、気を付けろよ」
 ボーイッシュな格好で今回は来ている。一番会う可能性の高い蘭ちゃんとコナンは誤魔化せるだろう。帽子を目深にかぶりマスクもしているからそもそも顔が見えないはずだ。
「紀里谷さんも気を付けてくださいね」
 懐に隠し持っている工具を確認する。米花シティビル。ここが最後だ。
 ビル内では二手に分かれて爆弾を探した。何か所かにあたかも忘れ物ですと言う風に置いてあった不審物はやはり爆弾だった。解体処理をして紀里谷さんと予め決めていたポイントに置く。爆弾の設置場所は中々いやらしく解体に時間がかかった。というかこの場所広すぎ…。何とか解体していくも、時刻は22時になりかけていた。
(蘭ちゃんの映画の約束時間…!このまま爆弾解体は危険だ)
 紀里谷さんに電話をする。解体したばかりの爆弾のタイマーは5分を切っていた。
「22時、最初の爆破時刻の可能性があります」
『…そのようだな。今解体したやつ、あと5分だった。なるべく人の多いところに行け。避難誘導を手伝いつつ残りの爆弾の場所だけでも探しておくんだ』
「了解」
 せめて出入りが難しくなる場所に人が入らないようにしないと。入り組んだ場所にある部屋は中に人がいないことを確認して鍵を閉めた。また、トイレは清掃中の看板を立て人が入らないように。避難口を微かに開けながら上の階を目指す。
 ドカーン!
 バーン!
 始まった爆発に舌打ちが漏れる。ビルのスタッフは優秀だった。避難指示は的確で、フロアにいた客は忽ちいなくなった。物影に隠れながら残された人がいないか確認する。爆発物も見当たらない。時たま閉じ込められてしまった人を救出しつつ、上の階を目指す。
(…おっとぉ、思ったより早いな)
 更なる爆発に加え、上の階を目指す小さな影が見えた。コナンだ。頭に包帯を巻いている。
 ポケットが震え着信を教える。
『黒崎、今どこにいる?』
「23階、中央エスカレータ付近です」
『警察がもうすぐ到着するそうだ。回収済みの爆弾の場所は俺から伝えておく。黒崎は、危険のない程度に閉じ込められた人がいないか確認しつつビルから出ろ』
「了解」
 コナンが来たということは、閉じ込められている最後はあの映画館のみ。一応映画館の上の階も見ておくか。コナンと鉢合わせないよう迂回しながら最上階まで一度目指す。流石に残っている人はいないようだった。見かけた爆弾は、解除できるものはなるべく解除しつつ下る。映画館の階でコナンが新一の声で蘭ちゃんに指示をしているのが聞こえた。よし、とりあえず大丈夫そうだ。そのまま下ると、登ってくる足音が聞こえた。ここで警察と鉢合わせるのは面倒だな…。爆発の影響で中途半端に開いたエレベータの入口から下を見る。4階くらい下にエレベータが止まっているのが見えた。その上の階、つまり3階下のエレベータの入口も開いているのが見える。開いているというより吹き飛んでるな。耳を澄ましても音はしない。よし、誰もいない。飛び降りエレベータの上に着地する。
(うわー、こういう時身長あったらなぁ)
 吹き飛んだ入口は両手を伸ばしても届かない。凹凸のある壁に足を掛け、よっこいせと思いながらよじ登った。辺りを見回し脳内の地図と照らし合わせ、下を目指そうとしたところでインフォメーションスペースに目が止まった。なんだろう、嫌な予感がする。ゆっくり近づくと、不思議な黒い箱を見つけた。これは、うん、あれだ。爆弾だ。サイズからして爆発したら結構やばそうだ。上蓋を外し中を見ると、時間はあと5分を切っていた。
(ここは15階、このまま逃げようにも下から警察は来ているだろうし、上にいるみんなも危険だ。というか私が一番あぶねえな)
 5分で逃げるより解体したほうが早いかもしれない。深呼吸をして箱の前に座った。かちゃかちゃと蓋を全て外し、回線をパチパチ切っていく。表現は軽く聞こえるが実際は慎重だ。あと3分を切ったところで2人分の足音が聞こえた。
(くっそ、警察か)
 ここで止めるわけにはいかない。最悪振り切って逃げよう。しかもこのタイミングで、また電話が来た。紀里谷さん、ちょっと恨むぜ…。
『黒崎、まだ出ていないのか!』
「絶賛解体中です」
「誰かいるのか!!」
 はーい見つかりましたー。こちらに向かってくる足音に心の中で舌打ちする。声が紀里谷さんにも聞こえたらしく、何かすまんと謝られた。
『黒崎のこと、信じてるからな。ビルから出たら俺の車に戻ってこい』
「了解です。夕飯まだなので食べに行きましょう」
『それを死亡フラグっていうんじゃないのか…ったく、ラーメンな』
 ぶつりと紀里谷さんが電話を切った。紀里谷さん最近ラーメンハマってるのか?この前行ったばかりじゃん。
「そこのお前、何をしている」
 電話を懐にしまい、背後の声を無視して作業を再開する。それにしてもこの声聞いたことあるな。背後の二人は私に近づき、その先のものにライトを向けた。私は二人を見上げる。
「なっ、爆弾か!」
「…わーお、久しいね“萩原”」
 来たのは萩原と松田だった。見つかった警察がこの二人なら大丈夫だ。
「…その声、まさか」
「松田も、十年くらいぶり?」
 手を止めず解体を進める。あと2分…。
「…椎名先輩?」
「覚えてたか。松田は記憶力良いね。萩原も声で分かるとかいっそ気持ち悪いよ」
 気持ち悪いってひでえと言いながら萩原は私の左に、そして松田は私の右隣りにしゃがんだ。
「なんで先輩がここに、つか、爆弾の解体」
「ここで逃げたら上にいる人が脱出できなくなっちゃうからね」
「まだ上にいるのか」
「そうそうだから上に行った方がいいと思うよー。あと私のことは秘密ね。あ、降谷も諸伏も元気だよ」
 二人の名前に松田は事情を察したようだ。うん、優秀な警察官だ。というか降谷の同期はみんな頭がいいな。
 1分を切ったところで解体が終了した。工具を片付け立ち上がる。
「毛利探偵は知ってるね?」
「あ?ああ、最近よく事件解決するとかいう探偵か」
「黒川邸の現場にいたな」
 ほうほう、松田は毛利探偵と会ってるのか。だったらこれは伝えておかなくては。
「今、割と毛利探偵と仲いいんだよね。もし私を見かけたり会ったりしても初対面として接するように。いいね?」
 二人にはしっかりと釘を刺す。よし、二人を信じようか。
「それじゃあ私は行くんで」
「あ、待って先輩、1ついいですか?」
 松田が私を止める。なんかこの流れデジャブだぞ。
「3年前、米花病院に会った爆弾解除したの、先輩だったんですね」
 3年前の…ああ、宗教団体摘発のときの、あれか。
「うーん、記憶にないなぁ」
「今解体した爆弾と、3年前に解体されていた爆弾、解体の仕方が同じです。コードの切り方に癖があったからよく覚えてる」
 ……コードの切り方の癖って…マジか。そんなのあったのか。癖って自分じゃ気付かないから厄介なんだよな…。
「そうなんだ、次は気を付けておく。因みにその癖って何?」
「言うわけないじゃないすか」
 挑戦的な目をする松田にムッとしながらも、これ以上ここにいても仕方ないので去る。
「生きろよ、あいつら、お前らのこと大切にしてっから」
 そう言い残し、二人に背を向け今度こそ外を目指した。

黒崎椎名
 記事にするジャンルは偏らないよう幅広く活動している。人間観察が役に立ち、「この人はこういう感じで接していれば勝手にべらべらしゃべるな」というのを心得ているので、本来は入る予定でなかった森谷邸も人心掌握で入った。森谷が自分のことを「どうせ分からないだろう」と侮っていたことも分かっている。だからこそ爆弾を作る為の諸々が隠されず点在してた。それを見逃す黒崎ではない。
 爆弾解体方法を偶に紀里谷に教えていたが、飲み込みが早すぎてそんなに時間がかからなかった。そのうち爆弾作れるようになりそうだな…とか思っている。
 事件の後、暫く書類で缶詰めになる。しかしこっそり抜け出してポアロに行きコナンと蘭が、怪我はしてるものの無事であることを確認してホッとした。
紀里谷雄太
 なかなかビルから出てこない部下に電話掛けちゃった。とりあえず無事で良かった。
 爆弾解体は部下から聞いていたので難なくできた。いかんなく発揮される天才力。
萩原研二
 爆弾ある所に椎名先輩あり、とそろそろ思い始めている。先輩の話から、今後捜査一課にこのままいれば先輩に会えるのか、降谷たちのことも知れるかも?と一課にこのままいることにする。といっても黒崎(東堂)は毛利探偵と仲がいいとはいえ、毛利探偵と常に一緒にいるわけではないので、事件で毛利探偵に会っても黒崎にはなかなか会えていない。目暮警部のイツメンには含まれていない。
松田陣平
 3年前に解体されていた爆弾の謎が漸く解けてスッキリはしてる。連絡の取れなくなった降谷と諸伏が公安に入ったことも察している。その二人が元気だと先輩から伝えられたので、同じところにいるのかと思っている。萩原と同じく捜査一課にそのままいることにする。しかし全然先輩に会えない。萩原同様、目暮警部のイツメンには含まれていない。
諸伏景光
 陰ながら爆破事件の被害を最小限に食い止めた。死者0を掲げるのは当然だが、爆破事件が始まった時の上司北澤の様子にマジビビりした。あの空気怖い、怒らせてはいけない人ナンバーワンと言われるだけあるわ…。
北澤唯人
 降谷と諸伏が恐れる相手。口数は普通だが、仕事ガチモードの時は空気から怖い。北澤のおかげでホラー映画に強くなった部下が多いとかなんとか。「あの人に比べたらホラーって可愛いんだな…」ある部下の言葉である。
 死者0にするために徹底的な作戦と人員配置をした。作戦実行時に「いいか?死者0ってのはな、一般人がじゃねえんだよ、俺らも含めてなんだよ。ぜってー死ぬなよ」と言う部下想いな上司の鑑。作戦実行の段階ではまだ爆破事件が確定ではなかったため上層部から嫌な顔をされたが「うるせぇすっこんでろ」と割と口が悪い。いつかクビになるんじゃないかと正直思ってる。裏で「北澤さんがいなくなるなら俺たちも辞めます!」という部下が数多くいることを知らない。
 書類など一段落着いた後、黒崎と飲みに行った。